『Why Capital Markets Matter』
Twitter、Tumblr、Foursquare、Zynga、Kickstarterなどに投資しているベンチャーキャピタリスト Union Square VenturesのFred Wilsonによる資本市場がクラッシュした時の、ベンチャーへの影響についてのポスト。


『自社の事業がキャッシュフローを生み出していて、成長のための必要資金を賄えるのでであれば、資本市場クラッシュの影響は少ない。
でも、今後も資金が必要で、キャッシュフローで賄えないなのであれば、影響はある。

シンプルだが、その通り。

本当に資本市場がクラッシュするのであれば(エコノミストでもないのでマクロ市場を占える訳でも何でもないのだが、”もし”本当にそうなら)、ベンチャーとしてできることは;
1) 身の丈にあった成長投資とキャッシュフローの改善
なるべく安定的なリピート売上を確保し、投資や固定費を身の丈にあった範囲に押さえるー当たり前ですが一番手堅い打ち手です。

2) 籠城用の兵糧をためる
未上場投資家の投資意欲が衰える前に、調達をしておく。経験豊富なVCほど悪い時も継続的に投資しますが、初めての不況に直面する新しいファンド、金融系・事業会社系VC、事業会社などは、マクロの状況の影響に左右されることもあり、過去には(99年.comバブル崩壊、05年プチネットバブル崩壊、08年リーマンショック後)など、投資を絞るケースがありました。ベンチャー業界全体への総資金供給としては、絞られる可能性があると認識しておいた方が安全でしょう。

3) マクロが悪い状況での次ラウンドに備えた条件で調達する
前述の調達の際に、足元の好況の波にのって(ベンチャーにとって有利な)良い条件で調達しすぎると、マクロの景況悪化によって、未上場の調達の相場観も大幅に調整された後に、相場から見ると大幅に割高になってしまうリスクをはらんでいます。事業が成長しているのに、次のラウンドで条件が悪くなるという形になると、既存投資家のとの調整がかなり難航します。次のラウンドを見据えて、”ほどほどに良い条件”で調達するのが良しでしょう。

資本市場がクラッシュすると決して言い切れませんが、
バラ色の未来を前提に夢を語り、最悪に備えて打ち手を打つ
のが経営者の仕事だと思いますので。